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浜口準之助
浜口準之助 黄金サイクルと農耕民族型投資戦略 約15年にわたり機関投資家のファンドマネージャーとして株式運用に従事。信託銀行などで主に年金資金の日本株運用を行う。その後約14年にわたり投信運用会社にて投資環境のセミナー講師に携わる傍ら個人投資家として株式運用を行い、「億り人」の仲間入りを果たす。「浜口流コア・サテライト戦略」を提唱し自らも実践している。「醍醐味に満ちたライフワークとして、株式投資に勝るものなし」との基本観から、個人投資家に実践的な株式投資手法の研究を続けている。 社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『黄金サイクルと農耕民族型投資戦略』(パンローリング刊)、ブログ 浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用 をほぼ毎日更新中、こちらでは旅の話もしている。
浜口流コア・サテライト株式運用戦略の実践

第27回 海運株と半導体製造装置関連株は、下落相場になるのか?

04月18日
まずは2週間ごとの定点観測を。前回の当ブログのアップ日(2022年4月4日)以降の「浜口流コア・サテライト戦略」銘柄について、上は株価が4月1日時点、下はその2週間後、株価が4月15日時点(配当権利落ち後)のデータです。海運株が前回に続き、顕著に下落していることがわかります。


コア・サテライト戦略 株式銘柄群
コア・サテライト戦略 株式銘柄群


ここ2週間でこの表の中の銘柄に関し私が行った売買は、日本郵船を新規売り建てたことです。あと表にはありませんが、有言実行、マザーズ銘柄をポートフォリオの10%程度組み入れ、トレーディングも行っています。これら銘柄群の中では、トヨタ・日本航空・海運株以外は保有している点は変わらずです。

ただし配当権利落ちの日を通過していますので、過剰になっていた株式のポジションを減らし、「平常運行モード」に戻す。これを前回の当ブログで書いた通り、少しづつ実行しつつあります。

一方で前回の当ブログで「戻りがあったため、再度空売りの建玉を開始。まだ試し玉程度ですが」とした6857アドバンテストは、やはり有言実行、売り乗せしました。ここから下放れるのか。注視しています。

以下、上が直近株価4月1日時点、中がその2週間後、直近株価が4月15日時点の日足チャートです。



アドバンテスト
アドバンテスト


日本株の相場観については、結論から言えばこれまでと変化なしです。これまで、当ブログで一貫して書いている投資環境見通し。「景気敏感バリュー株は、徐々に上昇に転じる銘柄が多くなる一方で、高止まりしている大型グロース株の下落が発生する動きがより鮮明化しつつある」状況と考えます。

次に8801三井不動産買いと8802三菱地所売りのさや取りについて。 グラフをご覧ください。


三井不動産

三井不動産

三井不動産


8801三井不動産と8802三菱地所の比較チャート。上は株価が3月18日時点、真ん中は株価が4月1日時点、その下は株価が4月15日時点の、両銘柄の過去三ヶ月の比較チャート・相対株価を示したものです。

前回のブログで、「私は三井不2,000株売り-地所3,000株買いのさやとりポジションを、さやが縮小したため、利確しました。今後、また両銘柄のさやが開いてきたら同じ仕掛けをするつもりです」としましたが。こちらも有言実行。

「三井不2,000株売り、地所3,000株買い」の仕掛けを行って良いタイミングが再度来ている」と考えます。実際私もこのポジションを、先週末の引け成りで建玉しました。あとはさやの縮小を待つだけです。今日以降の展開が楽しみです。

さて、今回のテーマ、「海運株と半導体製造装置関連株は下落相場になるのか?」について説明します。こうなる可能性は高いと思います。但し下落がいつ起こるのかがポイントです。



アドバンテスト

日本郵船


この背景として、まずはグロース株について。米FRBは5月のFOMCで初回の利上げを行った後、それ以降も連続して利上げを続けることを明言しています。 この場合、米国株は「景気敏感バリュー株上昇-グロース株下落」の相場展開となる可能性が高く、日本株もこの影響を受け、アメリカ株と似た展開になるのではないかと思います。銘柄的には、2000年にITバブル崩壊以降暴落したグロース株の雄、半導体関連株のひとつである6857アドバンテストに、この時の状況の再現・空売り妙味があると考えます。

一方で海運株について。すでにご案内の通り、世界的に新コロの影響で、人の動きが止まり物の動きが加速した。その結果として海運運賃が高騰し、海運株の業績をかさ上げした。しかし現在の高水準の海運運賃は、どこかで沈静化するのが自然と考えるべき。海運株は景気循環的な色彩が強い銘柄である一方、既に株価は十倍、大相場となっています。

ここからは、新コロが傾向として鎮静化していくに伴い、海運運賃は下落し、海運株の株価は「お里帰り」するのが自然と考えます。銘柄的には2007年に中国経済のピークアウト・原油価格の下落ひいては海運運賃の下落を背景に、株価が暴落した海運株の雄、9101日本郵船ににこの時の状況の再現・空売り妙味があると考えます。

ただし、中長期的にはこのシナリオで良いとして。どのタイミングでグロース株と海運株の下落が始まるかの判断が難しい。既に下落が始まっている可能性もありますし、高値圏での大きな往来相場になっている可能性もあります。

したがって、慎重に行くのなら。景気敏感バリュー株は継続保有していく中、アドバンテストや日本郵船については、試し玉を入れたり手仕舞いしたりしながら、本玉を入れるタイミングを待つ。これが順当なところでしょう。私の場合は既に日本郵船とアドバンテストの空売りポジションを建玉済み。私の株式運用の現状は事実上、景気敏感バリュー株買いーアドバンテストや日本郵船売りのロング-ショートポジションに近いものになっていますが。

しかしながらこの売り建てについては、株価が下放れなければ、買い戻す可能性は十分あります。繰り返しますが、売り建ての両銘柄はいつかは下がるのでしょうが、それがいつになるのかは誰にもわからない。売り建てを手仕舞い、再度売り直す。下落が始まるまで。予想以上に時間がかかる、根気のいる売買になるかもしれません。そもそも、私の相場観が外れる可能性もあります。どうなりますか・・・

以上です。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。

なお皆さんの株式運用は、くれぐれも自己責任でお願いします。ここは再強調させていただきます。


第26回 暴落したマザーズ銘柄をわずかに組み入れる時か?

04月04日
まずは2週間ごとの定点観測を。前回の当ブログのアップ日(2022年3月7日)以降の「浜口流コア・サテライト戦略」銘柄について、上は株価が3月18日時点、下はその2週間後、株価が4月1日時点(配当権利落ち後)のデータです。配当権利落ちの影響もあり単純に比較するのは難しいですが、海運株の下落が顕著であることはよくわかります。


コア・サテライト戦略 株式銘柄群


コア・サテライト戦略 株式銘柄群



ここ2週間でこの表の中の銘柄に関し私が行った売買は、三井住友FG・三菱商事・日本製鉄の買い増しです。いずれの投資行動も、3月期末の配当取りを視野に入れてのことです。これら銘柄群の中では、トヨタ・日本航空・川崎汽船以外は保有している点は変わらずです。

既に配当権利落ちの日を通過しましたので、ここからは徐々に過剰になっている株式のポジションを減らし、「平常運行モード」に戻して行きます。

一方で前回の当ブログで「戻りがあったため、再度空売りの建玉を開始しました。まだ試し玉程度ですが」とした6857アドバンテストは、売り玉を増やしています。そろそろ戻り限界かもしれません。

アドバンテストは、多くのグロース株が既に天井を打っている中でまだ高値圏にある、空売りし甲斐がある銘柄と認識している点に変わりはありません。「そろそろ戻り限界かな。あとはきっかけ待ちかな」と考えています。株価が崩れるようなら、順張りでの乗せ玉も考えますし、逆に株価が10,000円を超えていくようなら、一部買い手仕舞いします。どうなりますか。

以下、左が直近株価3月18日時点、右がその2週間後、直近株価が4月1日時点の日足チャートです。


アドバンテスト
アドバンテスト


日本株の相場観については、結論から言えばこれまでと変化なしです。これまで、当ブログで一貫して書いている投資環境見通し。「景気敏感バリュー株は、徐々に上昇に転じる銘柄が多くなろう」との動きが鮮明化しつつある状況と考えます。 グロース株が売られる一方で、景気敏感バリュー株が買われる。それは米国の金利上昇懸念が背景、この状況は時間の問題で訪れる。当ブログで書いてきた通りこのことは、かねてより想定していましたが、その時が訪れていると感じています。この点を含めまして。

ここ一年間の私の相場観・運用については、概ね正しかったと認識します。その点は、以下のブログで振り返っていますので、ご覧ください。

日経平均、21年度は1,357円安というが

次に8801三井不動産買いと8802三菱地所売りのさや取りについて。 グラフをご覧ください。



三井不動産


三井不動産



8801三井不動産と8802三菱地所の比較チャート。上は株価が3月18日時点、その下は株価が4月1日時点の、両銘柄の過去三ヶ月の比較チャート・相対株価を示したものです。

前回のブログで、「ここは三井不2,000株売り-地所3,000株買いのさやとりを仕掛けて良いタイミングと考えます。私もこのポジションを取りに行きます」としました。この仕掛けはハッピーエンド、さやが縮小したため、利確しました。今後、また両銘柄のさやが開いてきたら、同じ仕掛けをするつもりです。現在は、そのタイミング待ちの状況にあると思われます。
さて、今回のテーマ、「暴落したマザーズ銘柄をわずかに組み入れる時か?」について説明します。



東証マザーズ指数


このチャートは、2019年以降の東証マザーズ指数の週足です。ご覧頂くとわかるように、昨年11月以降大暴落、そして3月に底入れし戻りつつあると考えます。

今回の大暴落がどのくらい激しいものだったか。それは2020年の1月から3月にかけての新コロ暴落と比較すればわかりやすいと思います(左の赤丸の部分です)。東証一部と同様、東証マザーズ指数も大幅下落した後、2020年3月のタイミングで底打ち、大幅上昇しました。その後はしばらく高値圏での持ち合い相場の後、昨年11月以降、新コロ暴落を上回る下落率で再暴落、それは悲惨な状況でした。さて、ここで確認しておきますね。

東京マザーズ市場銘柄は、定期的に暴騰暴落を繰り返します。この中で特に暴落局面では、個別銘柄よりも市場要因の方がはるかに大きいことが特徴です。すなわち一旦暴落しますと、それは業績忘却型。業績動向に関係なく、ほぼ全ての銘柄が連帯責任を取らさるが如く下落します。史上最高益更新中の銘柄であっても、やはり下がります。今回もそうでした。

一方でこの大暴落が終わり底入れして以降は、その真逆が起こる可能性が高い。ほぼすべての銘柄が上昇に転じると思います。 要はこのマザーズ市場が、ここまでの大暴落を経て、底打ちしたか否かの判断がすべてということです。 これも相場観ですが、私は現状「Yes」と考えます。

であれば、このタイミングでマザーズ市場銘柄をわずかに分散投資しておくことは、有効な投資行動であると考えます。 銘柄は売り上げが増加中の銘柄をおけばいいと思います。私はと言えば、現在最も多く投資している銘柄は7342ウェルスナビ。会社四季報によれば、この銘柄は【特色】ロボアドバイザー活用した全自動の資産運用サービスを提供。手数料収入は預かり資産の1%と紹介されています。


ウエルスナビ


ウェルスナビは上場してまだ一年ちょっとであるため。お示しできるチャートの期間は短いのですが、11月以降暴落しここもと底入れしている状況は、市場全体の動きとほぼ連動しているかの如くであることがご理解いただけると思います。 ここでは、このタイミングで投資にふさわしいマザーズ市場の個別銘柄については言及しません。私はこのジャンルには門外漢、銘柄に詳しいわけではありません。市場全体の戻りを取りに行くことを前提に、銘柄選別についてはそれほどシビアに行なわず、有名な銘柄に分散投資すれば良いと思います。

マザーズ市場がここまで大暴落した背景の一つとして、東証が市場再編を行う中、マザーズ市場のインデックスが今後どうなるのかが、なかなか決定されていなかったことがあると思います。しかしながらこれについては3月26日、市場再編する2022年4月以降も、東証マザーズ指数の算出を続ける案が発表されました。それ以降、マザーズ銘柄は戻りが加速している印象があります。但し、繰り返します。

マザーズ市場は非常に投機的な市場ですし、これまでここで紹介している高配当利回り銘柄と比べると、リスクは数倍以上です。しかも
ここで紹介している底入れシナリオ自体が間違っている可能性も、ゼロではありません。以上から、この投資方法を皆さんにおススメするものではありません。もしも行うなら、株式投資ポートフォリオの中で、上限5%程度に留めるべきと考えます。それでもこの水準で投資して相場が想定とおり底打ちしているのであれば、それなりのパフォ―マンスが期待できると考えます。

以上です。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。

なお皆さんの株式運用は、くれぐれも自己責任でお願いします。ここは再強調させていただきます。


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