|
![]() |
改訂版 『なぜ株価は値上がるのか?』
――相場のプロが教える「利食いと損切りの極意」
旧題『値上がる株に投資しろ』
2002年2月27日発売!!
定価 本体 2,800円+税 /A5判 245ページ/ISBN 4-939103-56-0
著者●矢口新
<こちらをクリックすると40ページ以上立ち読みできます。 (PDFファイル.227KB)>
著者紹介
矢口新(やぐちあらた)氏 ・矢口新氏のホームページへ
一九五四年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。
アストリー&ピアス(東京)。野村證券(東京、ニューヨーク)。グリニッジ・キャピタル・マーケッツ(米国コネチカット州)。ソロモン・ブラザーズ(東京)。スイス・ユニオン銀行(東京)。ノムラ・バンク・インターナショナル(ロンドン)を経て、現在、執筆活動とともに、㈱イーデュケーション設立に参加。
これまでの著書に、『生き残りのディーリング・決定版』(パンローリング)がある。
本書は『生き残りのディーリング』で、プロの投資家から圧倒的な評価を得る、矢口新氏の最新刊である。今回は相場の世界を初心者投資家にも理解しやすいように、1、2章を証券会社の研修生と先輩ディーラーとの対話形式で進めており、深い内容がとてもわかりやすく説明されている。
また3~5章では、いかに株式投資で儲けるかを追求した、具体的なノウハウを提供している。
はじめに
みなさんが株式を購入する際の動機は何でしょうか?
株券は発行会社のオーナーシップの証明書ですから、有名企業、あるいは個人的に気に入った会社のシェア分だけのオーナー(株主)になることでしょうか? もしも本書を手にしたあなたが、そのような動機の方でしたら、残念ながら何の役にも立ちません。
株式投資はカネはかかるが、知的なゲームなので続けている。そういう方には、本書の第2章か第3章までで読み終えることをお勧めしておきます。
本書の大きな目的は、株式投資でいかにリターンを上げるかを追い求めている方々に役立つノウハウを提供することです。
第1章では、なぜ価格が動くのかを解き明かし、株価を動かす要因を構造的(継続的)なものと、投機的(目先的)に分類して説明しています。第2章は、株式市場で注目すべき材料を説明し、投資勘定と投機勘定別に対応の仕方を述べています。ここまでの章を読むだけでも(たとえば市場経済を学びたい学生諸君にも)それなりの価値があるはずです。
この1、2章は、相場という世界を初心者の投資家にも理解してもらいやすくするため、証券会社のトレーニー(研修生)と先輩ディーラーとの対話形式で進めています。初心者が疑問に思うようなポイントを、トレーニーの口を借りて、先輩ディーラーに質問させています。市場動向を伝えるために本文中で引用した新聞記事を古く感じる方がいるかもしれませんが、もともとXデーの記事でも十分なところを、理解のためにわかりやすい相場つきの日を選びました。したがって、日付はあまり気にしないでください。
第3章は、実際に資金を運用する際の最も重要な点、リスク管理の大切さを説いています。
株式投資を行う方々が「会社四季報」や「日経会社情報」を読んだり、新聞の株式欄をチェックしたり、はたまた当の企業のバランスシートを調べ、経営者に興味を持ったりするのは、就職するのに良さそうな会社を見つけたいからではなく、値上がる株を見つけたいためだと思います。あえていえば、どんな会社の株でも、儲けることができるのなら買いたいというのが本音でしょう。
とはいえ、たまたま仕手筋の情報を得て、うまく儲けることができてもその場限りで、自分で儲けたという実感もないでしょう。損をすれば、逆恨みもしたくなるというものです。
私たちが投資理論を学んだり、材料を吟味したりするのは、自分の行動に筋道をつけ、確信を持つためです。そうであれば、仮にその行動が間違っていたとしても、自分の行動の跡を分析して、再チャレンジができるのです。何度か間違うかもしれませんが、その度に何かをつかみ上達することができるのです。
そのためには、自分で納得して行動する必要があります。本書の第1~3章は、価格変動の性質を理解し、結果として取る自分の行動に納得してもらうために書いています。
とはいえ、いかに理論武装しても、どのように自分の行動に納得していても、儲けることができなければ話になりません。リターンが読めなければリスクを取る意味がない、といえます。自己満足して楽しむだけならば、ほかにいくらでも安価な手段があるのですから。そのために、ならば値上がる株をどのようにして見つければいいのかを、第4章で述べています。
このような本で常に疑われるのが、「本当に儲かると思っているのなら人に言うはずがない」というものです。
しかし、たとえばシドニー・オリンピックでのマラソン金メダリスト高橋尚子選手を育てた小出監督が、コーチの秘訣を書いたところで、小出監督が失うものがあるでしょうか? だれかが同じ理論を持っていたところで、小出監督だからこそ高橋選手の潜在能力を見抜き、見事に育てあげることができたのでしょう。
それでは、小出監督の書いたものを普通人が読むことは無意味でしょうか?
何も知らなかった人が小出理論に触れたなら、目から鱗で何かを発見できるかもしれません。また自分の理論を持つ人は、さらに磨きをかけたり自信を深めたりして、高橋選手以上の選手を育て上げるかもしれません。
いずれにしても、小出監督が失うものなどないのです。私も同様です。それよりも私は資金運用のプロの職人として、恥ずかしい仕事はしたくないだけです。
本書の出版にあたっては、パンローリングの後藤康徳氏、マイルストーンズの細田聖一氏のご協力を得ました。後藤氏は相場関係の海外の名著を我が国に次々と紹介するだけでなく、廃刊となっている名著の版権を大手出版社から買い取って復刊させるなど、わが国の投資家レベルの向上に多大なる貢献をされています。また、細田氏の編集センスによって、本書は原稿の段階からは想像もできないほど、すばらしい出来栄えとなりました。ここに改めて、感謝の意を表します。
株式投資は、株価の未来を予測します。明日を読むことだといえるでしょう。明日を読んでリスクを取ることは、明日を信じることでもあります。
そしてリスクは、うまく取りさえすれば、必ず見返りをくれるものなのです。
・これから株を始めようと思っていた所、タイトルにひかれて購入しました。株のド素人にも理解できる内容が盛り込まれていて、役に立ちそうです。
<女性 30代 会社員>